【 第12章 上 】
難しい問題と思われていたサラマンドラをどうするかという問題は、結局のところ悠季が連れ歩いて二年毎の繁殖期に必ず連れて戻るという契約書類にサインをするということで決着がついた。
悠季はサラマンドラを手元に置くことについての詳しい飼育マニュアルを教え込まれたし、必要な薬品や病気になった時の処置方法なども伝えられた。
更に、もしサラマンドラを拉致しようとするふとどき者が出た場合を懸念して、エマと悠季の体内に発信チップを埋め込まれた。
これで万が一誘拐事件が起こって、どちらの行方が分からなくなった場合でも、生きている限りどこにいても探し出せる。
また繁殖期の時には、戻ってくる際に藍昌政府の手配で、最上の交通手段を与えられるという特典がある事も教えられた。
「何だか至れり尽くせりになっているような気がするんだけどね」
契約内容に目を通していた悠季は、苦笑しながらそう言った。
「それだけ大切なものを託された、ということでしょうね」
圭がそういうと、悠季もうなずいた。日を重ねるごとにエマとの絆は大きくなっていく。恋人や家族とは違う共同体という感覚。
「ねえ、この後【暁皇】はどこへいく予定なの?」
「この後は、菫青に寄ってから緑簾に行く事になります。菫青では面白い事がありますので、楽しみにしていて下さい」
「・・・楽しみって・・・?」
「それは着いてからのお楽しみ、ということで。わくわくしながら待つのも楽しいでしょう?」
圭はしきりに聞き出そうとする悠季に、にっこりと笑ってそれ以上の詮索を封じてみせた。
こうして、【暁皇】は惑星藍昌を無事に飛び立ち、次の目的地へと向かうことになった。
「では、もう一度アタマから」
【暁皇】内での富士見二丁目交響楽団は、桐ノ院家のヒモ付きのなるのを嫌い、アマチュア主体で個人参加の非営利組織として活動を開始した。
だから圭も船長としてではなく個人の資格で入っており、会費を払っての入会になっている。
楽団の練習も、各人の都合が良い日を選んで練習に参加出来ることになっていて、週三回の参加は強制ではない。
練習場所は、室内練習場が割り当てられた。
ここは、【暁皇】で行われる記念行事のときに、雇われてきた楽団が練習したり舞踏団が練習したりする場所で、使われていない時は船内の誰でも許可を得れば使ってもいいことになっている。
音響もほどほどで楽団員たちも満足して練習に励んでいた。
楽団員たちは圭の指揮者ぶりにすっかり慣れ、このところスムーズに練習が進んでいる。近いうちに、船の中で演奏会を開こうかという話も持ち上がってきている。
「スタップ!もう一度いきましょう」
じろりと圭に睨まれて、チェロの五十嵐は頭をかいた。自分の音が上滑りしていたことに気がついたのだ。
実はここ数日、上の空で圭に注意される者が出てきている。大概はアマチュアでもかなり自分の腕に自信があるものばかり。
「あー、時間ですね。それでは、今日の練習は終わります」
「ありがとうございました!」
団員たちの返事が戻ってくると圭はタクトを仕舞った後で、悠季がバイオリンの手入れを終わってから、使っていた部屋のかたづけをするのを手伝うのがこのところの日課になっている。
「五十嵐君、なんだか今日の君は落ち着かない感じだったね」
「あ、悠季さん。すんません、どうももうじき菫青に到着だと思うとそっちの方が気になってしまって・・・」
今日もかたづけをしながら、五十嵐に声を掛けていた。
悠季は、この楽団のコンマスを任されている。とはいっても、仕事といえば楽団の雑用係と連絡係を兼ねているような役割がほとんどだったのだが、結構楽しんでこの役目をしながら船の中での知り合いを増やしている。
「菫青・・・って、何かあるのかい?」
「え、知らないっスか?」
「うん、けい・・・いや、コンに聞いたんだけど話してくれないんだ」
五十嵐は勢い込んで言いかけたが、ちらっと部屋の隅で飯田氏と話している殿下のほうを見た。
「あー、俺の口から言うとなると、まずいっスかね」
「そうなのか?ちょっと待って、本人に聞いてみるから」
五十嵐があわてて止めようとしたが、悠季はさっさと二人の方へと歩き出していた。
「ちょっといいでしょうか」
「お、悠季君。殿下を取り返しに来たのかい?」
悠季は飯田のからかいにちょっと顔をしかめて見せてから、否定した。
「そんなんじゃありませんよ。菫青にせいとかで落ち着かない人が何人もでているようなのですが、どういうことなのかお聞きしようと思ったんです」
「あー!そりゃあそうだな、もうすぐ菫青に到着するんだ。かく言う俺も及ばずながら挑戦しようと思っているくらいだから」
しかし悠季がきょとんとして不思議そうな顔をしているのを見ると、
「おい殿下、悠季君に菫青の事を何も話していないのかい?あの星にもっとも関係がありそうなのは、彼じゃないのか?」
飯田の問い詰めに、圭は苦笑しながら答えた。
「実は悠季さんには、直接あの星に到着してから知ってもらおうと思っていました。ここであれこれ言うより、あそこを自分の目で見て知る方がよほど正確に理解できるはずですから。あそこはへたな噂で偏見を持つと後々困ることになります」
「あー、確かにそりゃあそうだが・・・。しかし何も知らせずというのもな・・・」
彼がちらりと圭の方を睨んで見せると、彼は肩をすくめて見せた。そこで、飯田は悠季の方へと向いて話し出した。
「菫青という惑星は、地球人類の植民惑星じゃない。もともと知的生命体が住んでいたんだが、そこに人間たちも貿易の為の拠点を持たせてもらっているところなんだ。
そこの住人たちというのが、全員かなりの芸術評論家ばかりなんだよ。絵画、彫刻、そして音楽もね。あそこで認められるということは、すばらしいお墨付きをもらったということになるんで、腕に自信がありそうな者は、ぜひあそこで演奏したいと思ってるのさ。まあ、出来れば俺もね」
「へえ・・・。すごいところなんですね」
「行きゃわかるよ。俺も初めて行った時には驚いたからな」
「はあ、楽しみにしています」
惑星 【菫青】重力1.124 酸素量 1.12 首都 不明
「首都が不明なんですか?」
「ええ、彼らの言葉自体が翻訳不可能なのと、彼らの生態系が今ひとつ分かっていないために、どういう社会生活をしているのか不明なのですよ」
「・・・ということは、かなり僕たちと姿かたちが違うということなのかな?」
「そういうことになりますね。菫青という惑星名も、この星を発見した者が星の色を見てつけたそうですが、彼ら自身は自分たちの星のことを、――――――という風に発音しているようです」
圭は苦労しながら、彼らの言葉を発音した。それはどうにも息が漏れる音とうなり声のような言葉を組み合わせた「音」にしか聞こえない。
「意味は『青と紫の母なる星』と言う意味だそうで、ですから我々の間の航路図にも【菫青】と掲載されています。
彼らの目と耳と喉は僕たち人類よりもかなり発達しているようで、人類には使えない波長や音波を受け止める事が出来ると聞いています。ですから、彼らは訓練する事によって僕らの使っている銀河標準語を話すことが出来ますが、訓練をしていない者達相手には僕たちの方で翻訳機を使って彼らとのコミュニケーションを図ることが必要になります。
彼らにとって、【美しいもの】というのは、生きるための糧と言えるほど重要なものらしくて、僕たちが星を汚す事は絶対に許しませんし、逆に美しいものを受け入れるのにも旺盛な好奇心をもっています」
圭のレクチャーは続く。
この星が、地球人類にとって重要な取引相手になっているのは、彼らが生産する薬品や宝石がとても有効で貴重なものであるからだということ。
薬品や宝石は、天然自然に産出されるものではなく、何らかの方法で彼らが加工して生産しているらしいこと。だから、どこの地球型惑星の政府もこの星の住人たちを大切な取引相手として丁重に扱っていること。
彼らは、充分宇宙に進出できるだけの知性と技術は持っているが、今のところこの惑星を離れることには興味が無いようで、宇宙船を作ってはいないこと。
「でも、どうして僕が偏見を持つことになるんですか?」
「会えば分かりますよ」
圭は悠季をエスコートしながらそう言った。
ここは、【暁皇】から乗り込んで、菫青へと向かった搭載艇から降り立った、地球人居住区の着陸場。
「・・・わ・・・あ・・・!」
悠季の口から驚きの歓声が上がる。
藍昌では木々の緑の濃い、熱帯雨林という感じの植生を持っていた。
しかしここ菫青の緑は、同じように濃いが藍昌とは違って誰かの手が入っているような、まるで庭園のように整えられた美しさを持っている。
とはいえ、それが人の手で剪定を受けていてそうなったものではないらしく、乱雑さと洗練とが交じり合った不思議な魅力に満ちた花や木々が生えていた。
その風景をさらに惹きたてるようにして、名前の由来ともなった紫がかったような空の色。微量な成分が大気中に含まれているからなのだろうか。今まで着陸してきた惑星とは違った、不思議な雰囲気を醸し出している。
地球人居住区には大きな木は生えておらず、草原地帯を活用しているらしい。しかし、少し離れたところに見える森にはかなりの巨木らしいものが遠望できる。
エアカーで居住区の中の商業地区に入っていくと、そこは芝生のように整えられた草地そのままの地面に露店のような店が並び、この星の住人にいろいろな品物を売りつけようとしている商人たちがいる。
また、他の星からやってきたらしい船員たちも数多くいて、露店を冷やかしながらぞろぞろと歩いている。
その中に混じって・・・。
「あ、蟻!?」
悠季は思わず叫びそうになった自分の口を押さえた。
地球型惑星ではさほど珍しくなく見かける、蟻。それにそっくりに生き物たちが歩いている。しかしそのサイズが全く違う。
人間よりは小さめだがそれでも、体長は1メートル以上はあるだろう。
上体をぐっと起こしてうしろの4本の足で歩き回っており、胴体部分は漆を塗ったようにつややかだ。
頭部には仮面舞踏会の仮面を思わせるような無表情の顔。白目の部分がまったくない大きな眼が、切子のようにきらきらと光っていて、その上にはよく動く触角がある。
上半身についている、二本の上肢が人間で言うと腕に当たるらしく、指とはいえないような関節の多い触手が器用に動いている。
体色は個人によって様々に違っているが、どうやら少しからだが細いのが女性らしく、からだにストールのように綺麗な布を掛けまわし、きらきらと鮮やかな輝きを放つ飾りをつけて動きがとても優美に思える。
ここで見られる数は圧倒的に女性が多く、男性とみられる個体はほとんどいない。やはりこの星でも買い物は女性の特権らしい。
「だから、偏見を持たないで欲しい、と言ったんですよ。何も知らず、偏見を持たないで会った方が彼らのことを理解できるでしょうから」
悠季は思わず圭の上着をぎゅっと握り締めて、この星の住人たちを見ていた。
「彼らが怖いですか?」
圭の問いかけに、悠季は無意識に首を横に振っていた。
「怖くはないよ。ただ、あまりに姿が違っているので、びっくりしているんだ」
「それはよかった。昆虫型の異星人をやみくもに嫌悪してしまう人もいますからね」
確かに最初はからだつきが蟻にしか見えない異星人たちだったが、落ち着いてよく見ると、のっぺりとした仮面のように見える顔は、地球型人類のように表情からはあまり感情が見えなくとも、触覚の動きや触手の動きで、感情が豊かで知性も高い事が分かる。
アーモンド形のきらきらと光る目はとても綺麗だったし、からだの色も蟻と違ってあざやかな色彩が多く、まるでエナメル細工のようにきらびやかだった。
「あら、圭さんじゃありませんか!」
優しげな声が背後からかかった。二人が振り向くとそこには菫青人が数人いて、近づいてきた。
いずれも女性らしく、優美な歩き方でこちらへと進んで来る。彼女たちのからだに掛けられた布は鮮やかな色の手の込んだぜいたくなものだったし、付けている宝飾品も豪奢なものだった。どうやらこの星でも裕福な部類に入る人たちらしい。
中でも、女主人らしいその女性は、体色が落ち着いたワインレッドの光沢のある綺麗なからだで、掛けまわしているストールや宝飾品もとても贅沢で洗練されたものばかりを身に着けていて、いかにも裕福で鷹揚な貴婦人然としている。
「これは、マムではありませんか。お久しぶりです。お元気でいらっしゃったようですね」
「ええ、ええ、あなたもね。相変わらずとってもハンサムさんだわ。ね、ご一緒の方を紹介してくださらないかしら?」
圭は、差し出された触手を額に当てるしぐさをしてから、悠季の背を押して彼女の前へと立たせた。
「彼は福山悠季さんと申します。この間から【暁皇】に乗り込んでいるバイオリニストですよ。福山正夫師の養子で、最後の弟子です。現在は【暁皇】の客分となっています。
悠季、こちらの方はマムとおっしゃいます。もちろん本当の名前は僕たちには発音が難しいので、このようにお呼びしているのですが。この地の前の女王で、現在の女王の母上に当たる方です」
「は、初めまして、福山悠季と申します。あの、どうぞよろしく」
悠季は、彼女に対して丁寧に挨拶した。
「まあ、福山正夫さんのお弟子さんですか。どうぞよろしくね。私は―――と申します。でも地球の方には発音できないそうだから、どうかマムと呼んでくださいね」
「あ、はい。マム」
「それでは、あの方も【暁皇】に乗ってらっしゃるのかしら?私は、福山正夫さんのバイオリンの音色がとっても好きなの。また聴かせてもらえるのかしら?」
「実は、福山師はご病気で亡くなられました。数週間前、恒河沙でのことです」
圭が頭を下げて、故人への哀悼の意を示し、悠季もそれにならった。
「まあ、何てことでしょう!それはとっても悲しい事だわ。あの方のバイオリンが聴けなくなるなんて、なんて残念なことでしょう!」
彼女の触覚が震え、上肢の触手をねじり合わせて悲しみを表現して見せた。そのしぐさは人間の表情以上に分かりやすく、いかにも心のこもったものだった。
「悠季さん、でしたか。あなたもさぞ悲しかった事でしょうね。本当に惜しい方をなくしましたね・・・」
「ですが、悠季のバイオリンが聴けますよ。彼のバイオリンもとても素晴らしいものですから」
「圭さん!」
悠季があわてて圭の袖を引いた。
「あらまあ、そうなの。それは楽しみなことね!」
彼女の触手がふるえ、小首をかしげてみせて、地球人で言うとにっこりと嬉しそうに見えるようなしぐさをしてみせた。
「いえ、僕のバイオリンは養父に比べたら全然へたくそです。お聞かせできるほどのものではありません」
「そんなことはありませんよ、悠季。君のバイオリンはとても心地よい音を出していますから」
「それは、君の身びいきというものだよ。僕はまだまだ修行中の身だから」
悠季は眉をしかめて圭に食って掛かっていった。
しかしマムが面白そうにこちらを見ているのに気がつくと、あわてて口をつぐんだ。マムは音楽的な声でころころと楽しそうに笑って見せた。
「それほど謙遜されるのでしたら、神木に奉納してみてはどうなのかしら。無事に嘉納されれば、それはすばらしいことですからね。やってごらんなさいな。楽しみにしていますよ」
マムは、この後急ぎの用事があるので、もう行かなければならないのだと実に残念そうに言った。
「演奏される時は、必ず教えてくださいね。聴きに行きますから。それから圭さん、二人で近いうちに必ず家に寄って頂戴ね。きっとよ?お待ちしてますからね」
「ええ、必ず伺うようにしますよ」
そうして、彼女たちは優雅に立ち去っていった。
「とっても素敵な方だね」
「ええ、マムはすばらしい女性ですよ。以前はこの地の女王陛下だったそうなのですが、既に引退してかなり悠々自適の生活をおくられているのですよ」
「女王陛下?」
「我々には菫青人の王位と王位の交代については、まったく分かっていません。
彼女たちは突然王位に就き、突然次代に王位を譲ってしまう。その判断基準は外部では理解できないのです。今現在はこの地をマムの娘であるアガサが継いで治めています。しかしその王位もいつ交代するかは我々には分からないのです」
「ということは、彼女はこの星の元支配者ということなのかい?えーと、女性だけが王位を継ぐというような・・・」
「そうですね、地球でいう意味での支配者というわけではないようですが・・・。
実は女王の領地というのは、地球人類の形態に当てはめていうと一国家らしく、独立自営で他の女王の領地にはまったく干渉しないことになっているらしいです。その領地を代々娘が継いでいくようですね。推測ですがこの惑星にはそんな女王が十人ほどいるらしいことが分かっています。
彼女はその頂点に選出された女王だったのですよ。」
「へえ・・・」
悠季はこの星の不思議なしきたりを興味深げに聞いていた。
「ところで、神木に奉納って何のことだい?」
「あの木ですよ」
圭は遠くに見えている木々の中でも飛びぬけて巨大な一本の木を指し示した。
黒く見えるほどに葉が茂っていて、枝ぶりも広く、ここから見ても大きく感じられるのだから、近づけばどれほど大きな木かと思われた。
「あの神木の根元に、舞台が作られています。劇や詩の朗読、歌や演奏などはそこで神木に奉納されるのです。
観客は菫青人たちで、とても的確な評価を下してくれるのです。有名無名は彼らにはまったく意味を持っていませんから。飯田くんや五十嵐君もあそこに立って自分の演奏の評価を受けたいと思っているわけです」
「評価というのは、やはり拍手で分かるのかな」
「良い評価ならもちろん拍手をもらいますし、悪ければブーイングをもらいます。そして、評価に応じて代価として宝石や細工物を渡されます。
そして、もし極上の演奏をした場合は、宝石の果実がもらえるらしいということなんですが・・・。僕も現物を見たことがないのでそれがどういうものなのかは分からないのですが」
悠季は果実という言葉で、祖父が大切にしていた宝石で出来ている真紅のりんごを思い出した。どこでどうやって手に入れたかは教えてくれなかったが、もしかしたらこの地で手に入れたものではなかったか。
だが、そのりんごは今はもうない。
きっと恒河沙の廃屋となってしまったあの音楽堂のどこかに今もころがっているか、欲深い誰かが持ち去って売り払ってしまい、金持ちの誰かが持っているかだろう。
「それから絵画や彫刻の類は、あの神木の傍の広場に三日飾られ一番高く評価した菫青人に引き取られることになります。」
圭が悠季の物思いには気がつかず、話を続けていた。
「彫刻や絵画の評価は作品の前に置かれた、演奏と同様に宝石や細工物の数や質で分かるわけです。菫青人に評価されて一躍有名になった新進の画家や彫刻家が多いために、われこそはと思う新人たちは、ここに作品を持ち込んで何とか高い評価を出してもらえるように願うのですよ」
「へえ、それでさっきから大荷物を抱えた人たちが通っていくのか」