亡きバイオリニストのためのパヴァーヌ










拍手とブラヴォーの喝采の中、悠季が舞台から降りてきた。

「守村さん、素晴らしかったですよ!」

「本当によかった!」

舞台の袖で聞いていこのコンサートの関係者の人たちが口々に賞賛を述べて拍手する。

その後ろから現れた僕も微笑みながら口を開く。

「お疲れ様、とても素晴らしい演奏でしたよ」

「ありがとう」

悠季は僕にバイオリンを渡しながら、にっこりと笑いかけてきた。





本当に今日の出来は秀逸だったと思う。

今夜のコンサートは関東近県を回って開催されたもので、今季前半の悠季のコンサート・ツアーの最終日だった。ルクーのソナタをメインに小曲を幾つかという構成で、どの曲も好評だったと思う。
悠季のスケジュールとしては、この後一か月後に迫っているバイオリンコンチェルトに向けての仕上げが待っている。

彼を楽屋へとエスコートして、用意してあったポットからお茶を淹れて差し出す。今日の僕は彼の押しかけマネージャーというところだ。

悠季はふぅっと息をつくと、のろのろと上着を脱いでソファーに座った。渡してあげたタオルで拭いてもまだ汗がにじんでいるようだが、まだ着替えは出来ない。この後楽屋へとやってくる客を待たせているからだ。

ドアがノックされて開かれた。外のにぎやかな話し声をお供にして入ってきたのは、伴奏の吉柳くんだ。

「守村さん、お疲れさまでした」

「あ、お疲れさまでした」

彼はこのあとの挨拶に出ないので、すでに着替えていた。

「いや〜、今夜はとてもいい出来でしたね。お客さんたちもすごく喜んでましたよ。次のツアーではまたファンが増えるんじゃないですかね」

「あは、ありがとうございます」

「それじゃ僕はお先に失礼します。また来週打ち合わせで」

彼は明日は朝から他の用事があるとかで、先に電車で帰宅するそうだ。

吉柳くんが出ていくのと入れ違いにステージマネージャーが悠季の様子をうかがいに来た。

「守村さん、そろそろお客様を入れてもよろしいでしょうか?」

「あ、はい。どうぞ」

悠季のファンや今日の主催側の人たちが入ってきて挨拶や感想を嬉しそうに話しているのを、僕は目立たないところへと下がって見守ることにした。もっとも僕の背の高さでは目立たないというわけにはいかないのだが。





ようやく挨拶やサインが済み、来客が帰ると悠季も着替えることが出来た。私服に着替え、バイオリンを手にする。

「ええと、忘れ物はないよな。じゃあ出ようか」

「はい」

僕たちは楽屋口にいた人たちに挨拶して裏手に停めてあった車へと向かう。シートに収まった頃には彼の顔には疲れとともに冴えない表情が浮かんできた。
それまでは今夜のコンサートの関係者に気を使わせまいという配慮もあって見せなかったものが、演奏が終わったことで一気に悩み事が意識に浮上してきたというところだろう。


このところ悠季を悩ませている事情は分かっている。来月予定しているバーバーのバイオリンコンチェルトの解釈についてだろう。

数か月前、僕たちのオーケストラの後期スケジュールを考えていた頃のことだ。
後期は悠季のバイオリンコンチェルトをメインにすることになって、誰の曲をやるかあれこれと候補を立てていたのだが、そこにパパ・エミリオから電話がかかって来た。
パパ・エミリオの電話はバーバーのバイオリンコンチェルトの演奏の依頼で、パリのR管弦楽団と共演をして欲しいというものだった。

悠季としては恩師からのこの依頼を断るわけにはいかず、『喜んでお引き受けします』と返答することになった。

彼は受話器を置くと、『後期の曲が決まっちゃったよ』と肩をすくめ、話を聞いて僕も思わず苦笑した。

コンチェルトを二曲も勉強するほどの時間はなく、悠季がソリストをつとめるならオケの後期の演目はバーバーで決めるしかないというわけだ。

その五日後にはローマでこの曲を演奏することになったそうで、パパ・エミリオご一家も来られると聞いて、悠季が緊張しているのを知っている。

共演するのはどちらのオケも初めての共演ではないので、相性に気を使うという点ではそれほど問題はないだろうが、悠季が悩んでいるのは初めて取り組む曲の解釈の問題だ。





サミュエル・バーバーはアメリカの音楽家で、一般的には弦楽合奏曲の『弦楽のためのアダージョ』が有名である。

1939年にフィラデルフィアの産業資本家サミュエル・フェルズから、自分の養子アイソ・ブリゼッリのためにヴァイオリン協奏曲を作曲するようにと依嘱された。
第一楽章と第二楽章が届けられるとブリゼッリは叙情的な作品を褒め称えた。が、新進気鋭のバイオリニストの野心として自分のテクニックを披露する機会を望んでいたらしく、渡された曲が簡単すぎるというコメントを告げたともいわれている。
その言葉に奮起したものか、バーバーは第三楽章を無窮動でこれでもかというほどのテクニックを盛り難しいものにしたとも言われている。ブリゼッリは曲を目にして自分には歯が立たないとして、受け取りを拒否した。

このあたりはチャイコフスキーのバイオリンコンチェルト曲も演奏を依頼したバイオリニストに演奏を断られるという状況が似ているが、その後の経緯も同様で、発表されるとたちまちヴァイオリンと管弦楽との定番の楽曲になった。実際バーバーのこの協奏曲は、あらゆる二十世紀の協奏曲の中で最も演奏回数の多い作品の一つである。

二十世紀の作品でありながら、後期ロマン派の作品かと思われるようなロマンチックな作品でもある。
とろけるように甘い濃厚な第一、第二楽章と、無窮道の速いパッセージをクールに駆け抜けていくラストの第三楽章。甘さとクールさの両極端を楽しみ、技巧を聞くという聴き手にとっては至福の曲だが、弾き手にとってはどうバランスをとるか問われる曲だ。


第一章は無邪気でノスタルジックなモチーフが繰り返される中に、時折不安をかきたてるような要素が時折現れる。そして第二楽章では前奏のオーボエが第一で使われていたモチーフを短調で奏でると、バイオリンが悲哀を感じさせる美しくも切ない曲調で受けて演奏していく。第三楽章ではクールで幾何学的な美しさを持つ無窮動を使った早くせわしないパッセージが続き、バイオリニストにとってかなりのテクニックを要求される。

悠季はすでに曲の暗譜は終わっており、テクニック的には問題ないが、このあたりの解釈に手こずっているようだ。
彼はビジュアルで曲の印象をつかみ取るのことが多い。いつもならヒントを求めてあちこちを見て回るドライブを頼まれるところなのだが、このところ二人とも忙しくて行くスケジュールを組むことが出来なかったのだ。

ふむ、ここはやはり彼の演奏の手助けとして行くべきなのでしょうね。もちろん、二人きりのデートの一環ということは当然であるが。

僕はハンドルを切って予定していた場所へと向かった。











「悠季、着きましたよ」

「うん、もう着いたの?・・・・・って、ええっ!?」

疲れのせいで眠っていた悠季は、あたりを見回して驚いていた。自宅に戻ったとばかり思っていたのに目を覚ませばまったく知らない場所に着いていたのだから。

「今夜と明日の二泊をこの宿に予約してあります」

「・・・・・きみ、明日は予定があったんじゃない?」

あきれた顔で尋ねてきたが、そのあたりはすでに手配済みだ。

「きみの予定は四日後でそれまではオフです。僕の予定は明後日の夕方になりましたから問題ありません」

オケの方も連絡済みで、僕と悠季の参加は無しで練習することになっている。

「まあ、きみの方で問題なければいいけど」

「いつもでしたらきみの曲想探しのドライブに誘われているところでしょうが、このところ忙しくて一緒に出掛けることも出来ませんでしたからね。時間的には探せる場所も限られるでしょうが、手掛かりくらいは見つかるかもしれません」

「うん、そうだね。ありがとう。ちょっと行き詰っていたから助かるよ。ところでここはどこなんだい?」

僕が教えた場所を聞いて少し驚いていた。先ほど演奏したところからさほど離れていないのだが、東京近郊でも深い森の中に見えるからだ。

このホテルは本館にも部屋はあるのだが、離れとして独立した建物ががいくつか建てられていて、泊った客が他の客に気兼ねすることなく過ごせるようにできている。部屋には温泉がひかれていて、食事も部屋に運んでもらえるのだ。何より部屋でバイオリンを弾いても問題ないことはあらかじめ確認済みだ。

「いらっしゃいませ」

本館の前に車を停めると、中から従業員があらわれた。僕が名前を告げるとフロントに立ち寄ることなくそばに待機していたカートへと案内してくれた。

「お荷物は以上でございますか?」

手荷物を手渡し、カートに乗り込む。

「明るいうちでしたらお部屋まで歩いていくこともできますが、足元が暗くなっておりますので、カートでご案内させていただいております」

悠季が戸惑った顔をしていたためだろう。従業員はそう言うと丁寧な運転で宿泊予定の離れへの道へと案内してくれた。

フロントから連絡があったのだろう。部屋の前にはすでにこの部屋専門の客室係が待ち受けており、カートから鞄を受け取ると建物の中へと案内してくれた。

「わあ、きれいな庭だねえ」

暗くなった庭はきれいに選定された庭木が並び計算されて植えられた木々の中に、何の花か白い花が咲き始めているのが無粋にならない程度にライトアップされて浮かび上がっていた。部屋の奥にはテラス席があって部屋から庭を眺められるようにテーブルと椅子が用意されており、庭を散策することも出来るそうだ。周囲は少し高い木々に囲まれているからプライバシーも確保されている。もちろん、部屋に備え付けの露天風呂にもだ。

「朝になりましたらもっときれいでございますよ」

客室係はウェルカム・ドリンクをサービスしてくれたあと、部屋の説明や本館にある大浴場についても解説してくれた。

「夕食は七時半で承っておりますが、よろしいでしょうか」

「ええ、お願いします」

僕が心づけを渡すと、さりげなく受け取って下がっていった。

「この部屋の風呂も源泉かけ流しなんだってさ。美肌の湯だとか言ってたね」

「さっそく入りますか」

「あー、うん」

ぽっと目元が赤らんだ。いまだに時折見せるこんなうぶな表情がなんとも愛らしい。

湯舟は二人が湯に浸かれる大きさがあったので、簡単にからだを洗うと並んで入り、ほんのり木々が浮かび上がる庭を眺めた。

「久しぶりだねえ。こんなふうに二人でゆっくりするのって」

「ええ」

確かに今僕たちのオーストラは順調で、悠季もサロンコンサートやあちこちからの演奏会の依頼が入っていて日々人気が出てきている。音楽に関して厳格な彼は人気におぼれず、日々の鍛錬と精進を怠らずその演奏は深化していると言っていいだろう。だが、彼は自分のからだのことや体力を忘れて集中するきらいがある。僕や宅島らがさりげなくコントロールして限界を超えないようにセーブしなければ倒れてしまうだろう。ただし、彼のプライドという逆鱗に触れないように配慮しながらだ。

心の中のメモにきっちりと書き込むと、今宵は憂いを忘れてひと時を楽しむことに決めた。

僕たちはどちらからともなくからだを寄せあってキスをした。彼のからだを膝の上に抱き上げると、彼のペニスに手を伸ばした。

「あ、こら」

あたたかく滑らかな彼のそれと、僕のそれを重ねるとゆっくりとしごいた。

僕ひとりの自慰と違って、そこここに触れてくる感触がたまらない刺激を与えてくる。

「ぼ、僕も」

悠季が手を添えてくると更に刺激が増してくる。

漏れてしまう声を抑えるために悠季がキスを求めてきて、あえぎや甘いうめき声がダイレクトに互いの口腔に響く。

「・・・・・んんっ!」

彼のからだが緊張してきて僕もそれに合わせて放てば、ぐったりとからだを寄せてきて、熱い吐息が肩口に零れ落ちる。

「よかったですよ」

「・・・・・ばか」

色っぽい声で言われても僕にとってはうれしいだけだ。

まだ足りない気分ではあるが、このまま本格的に続ければただでさえ疲れている悠季に食事もさせずに眠らせてしまうことにもなりかねない。少しふらつく彼に手を貸して湯船から上がって浴衣をまとう。
湯上りでほんのり上気し、まだ髪が濡れている襟足にまたそそられてしまうが、ここは自重しなければ。


並べられた食事は創作懐石とのことで、和風洋風が混じった彩りも盛り付けもあざやかなものだった。

「お夕食はこちらで以上でございますが、よろしいでしょうか」

「ええ、ありがとう」

客室係は数々の料理と注文しておいた地ビールや酒類を庭が眺められる席に並べると出て行った。

「それでは、きみのコンサートの成功を祝して。乾杯」

「あは、どうもありがとう」

互いに注いだ地ビールのグラスを掲げて乾杯し、みやびな料理の数々に舌鼓を打つ。

あまり酒が強くない悠季は、地ビールのグラスを空にするとお勧めだという冷酒を切子のきれいなグラスに貰って楽しんだあとは料理を味わうことに専念することにしたらしい。

「明日の予定ですが、どのあたりを回りますか?」

悠季の中にあるコンチェルトのイメージとはどのようなものだろう。

「そうだねぇ。なつかしい思い出。名前も知らない野の花々が咲く草原と古びて誰も遊んでいない遊具。・・・・・みたいな感じかなぁ」

悠季は宙をにらんでぽつりぽつりと自分が持っているイメージを話してくれた。

「でもさぁ、第三楽章のイメージがイマイチまとまらなくて。硬質なガラスとか水晶のイメージ・・・・・?うーん、ちょっと違うかも」

「なるほど、でしたら―――」

僕は持参していたタブレットから検索して、この周辺にあるイングリッシュガーデンが有名な公園や美術館、街並みなどをピックアップしてみた。
明日はこのコースで行ってみようか。

「ああ、雲が出てきたね。明日は天気が下り坂なのかな」

農家出身のせいなのか、バイオリニストとしての習性なのか、悠季は天気や湿度にたいして敏感だ。見れば先ほどまできれいな月が出ていたのだが、薄雲がかかってきている。

「照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に似るものぞなき」

ぽつりと悠季がつぶやいた。

「おや、源氏物語ですか。第八帖『花宴』ですね」

如月に紫宸殿で催された桜花の宴で、光源氏は頭中将らと共に漢詩を作り舞を披露した。宴の後、朧月夜に誘われふと入り込んだ弘徽殿で、源氏は廊下からどこかの姫君が詠む歌を聞いた。それがこの歌だ。名前も知らない姫君との恋は、ロミオとジュリエットの恋に似て結局光源氏の須磨への追放という破局を迎えてしまう。

「高校でテキストとして出てきたんだけど、この歌くらいしか覚えてないよ。華やかな宴の情景が生徒に好まれると思ったのかも。僕は春の月のきれいさが印象に残ってただけさ」

そう言って月を見上げる悠季の横顔はかぐや姫のようにさらわれて行きそうに思えてしまう。

「ぜひ僕のそばにとどまっていてください。月を見上げているきみはきれいすぎてどこかに行ってしまいそうだ」

僕の言葉に悠季は笑い出した。

「きみの褒め殺しが始まったよ。ええと、『僕はどんなことでも許される者ですから』って言う?」

源氏物語の一部になぞらえたセリフを言ってきた。

「そんな傲慢なことは言いません。須磨に流されてはたまりませんからね。僕としてはきみの足元に伏して乞い願うのみです」

僕の言葉を聞いて、悠季はけらけらと笑い出した。

こんなふうに言葉遊びが出来るのはとても楽しい。今宵の悠季は機嫌よく酒が回っている、しゃべり上戸の笑い上戸といったあたりか。

食事を終えて食器類を下げてもらうと、残しておいた冷酒のグラスを片手にぽつりぽつりと懐かしい思い出を話し出してくれた。

若くして亡くなった父上が話し上手で、様々な話を言葉や身振りでその場で見えるかのように語ってくれたと懐かしそうに話してくれた。話しぶりがあまりに迫真過ぎて、特に雪女郎の話の時には怖くて一人で眠れず母上の布団にもぐりこんだことも。

それから中学生時代には図書係で、受付が暇なときにはその頃流行っていたライトノベルを読んだりしていたことも話してくれた。

「『十分でわかる古典』なんて本もあったんだぜ。源氏物語のあらすじを知っているのもそのあたりの知識なのさ。だから深く突っ込まれると、とたんにギブアップだ。興味のわいた本はあとから何冊かきちんと本物で読んだけど、バイオリニストを本格的に目指すようになってからは読まなくなったし」

悠季はいろいろと教養や知識が足りないと嘆くが、その頃の雑学的な様々な知識が今に役立っているものか。

ふっと考え込んだ顔をすると、

「これって実はあの第二楽章にイメージが重なったりするんだよな。失われた懐かしい思い出っていうふうな」

なんでもこじつけるなんて、これってちょっと職業病っぽいねと苦笑して見せた。

ああ酔ったかなと言いながら微笑む悠季の首筋はほんのり酔いに染まってなまめかしい。近寄って首筋にキスを落とした。シャンプーの香りに悠季の匂いが混じっていて、僕の牡としても本能を刺激する。顔を上げれば悠季の瞳もうるんでいて僕のことを欲しがってくれていることがわかる。そっと手を伸ばして彼の手からグラスを取り上げてテーブルに置くと、耳元にささやいた。

「そろそろ休みましょうか」

「・・・・・うん」

手をつなげてベッドへと向かった。






僕たちはその時の気分のままに激しく求め合うセックスになる時もあるし、じっくりと快感を高めていくセックスになる時もあるが、今夜の悠季の気分は互いのイイところを探していくのが好みらしい。

彼は毎回のように感じる場所が違うようで、それを見つけることが出来るのが新鮮な驚きでもあるし喜びでもある。今回は手指の付け根やひざの裏、鼠径部のあたりを愛撫すると良い声で鳴いてくれた。

「ねえ、もう・・・・・」

ようやく懇願してくれた切ない声に導かれてからだをつなげると、深いため息とともにぎゅっと締め付けてくる。

「いいよ・・・・・。うん、圭、すごくイイ。・・・・・あっ・・・・・もう・・・・・」

深くなっていくくちづけの合間にかすれた声が耳に届く。耳元にささやかれる甘い声は僕の官能をダイレクトに刺激してくる。

まだ、だ。

ぐっと我慢しながら抜き差しすると悠季のそこは熱くなって蕩けるように快感が増す。

「け、圭っ!もう・・・・・あっ・・・・・ああっ!」

「ええ、いきますっ」

切迫してくる彼の痙攣に合わせて僕も放てば、二人して満足の吐息をついた。

「愛してますよ、悠季」

「・・・・・僕も」

ほとんど気絶するように悠季は眠り込んでしまった。疲れていた彼に付き合わせてしまって申し訳ない気持ちもあるのだが、彼とのセックスはたまらなくいいのだ。

ぐっすりと眠り込む彼を抱きしめて僕も眠りについた。