ああついに終わってしまったんだなァと、感慨深いです。
思えば途中からフジミを知った、言わば新参者だったはずの私も、追いかけまわして10年あまり。
ついにはサイトを立ち上げて7年目に突入したわけですから、つくづく長いです。
最初から追いかけていた方などは・・・・・あまり年数のことを言うのはやめた方がよさそうですね(笑)
これまでのあれやこれやのエピソードが多すぎて、最後にあの人物を出して欲しいとか、あのエピソードはどうなったとか。
読者側のわがままとして言い出したらきりがありません。それを考えればいい終り方をしたと思っています。
上巻では、悠季はサムソンの陰謀に引っかかった圭を助け出そうと猪突猛進。あいかわらずですが、グレードアップしたような(笑)
弁護士事務所に出かけたり、出版社に殴りこみに行ったり(苦笑)あちこちになりふり構わず出向いていく姿は、ゲイと後ろ指をさされることを恐れていた昔に比べるとずいぶんと度胸がついたと言うべきでしょうか。
まあぶち切れた時の行動は昔からではありますが。
タッグを組んだマネージャーの井上さんや吉柳さんとも協力して自分の音楽家としての地歩を固めつつ、でも必死で動揺を抑えようとしているのは、読んでいるこちらでもはらはらしていました。
売れだしたばかりの音楽家としての立場を心配されて、ジレンマに陥っているのは切なかったです。
なんとかブラームスのコンチェルトを東京フィルと協演したけれど、指揮者の勝山さんに開き直って喧嘩をふっかけちゃったようなものだし。
音壺では反省して演奏はきちんとこなしたけど、圭の事で悪酔いして翌日はドツボにはまっていたし。
そんな中で、悠季の、そして二人のことを応援してくれるたくさんの人たちを再発見できたことは悠季にとってとてもありがたいことだったのでしょう。
この先、サロンコンサートとか演奏活動がいろいろと入ってきそうでよかったですね。
そんな矢先にパパラッチ記者のせいで右手の薬指を捻挫するとは、痛かったです。
怪我という意味でも、練習できなくなってしまうという意味でも。
右手の薬指ということは、指輪のあたりをつかまれたということなのでしょうか。
下手をすると指が腫れて指輪をはずすのに切り取らなきゃいけない羽目になったかも。
大丈夫だったのかな?
圭に心配をかけまいと、口止めをしておいて、アメリカに渡ったところで包帯姿を見せて、さぞかし圭はぎょっとしたことでしょう。
ちょっとタンホイザーの階段落ちの時に圭がまず指の心配をしていたことをちらっと思い出しました。
アメリカでは小夜子さんが圭からの指令を受けて、陰謀の実行役をつとめているのをみて、さぞかしはりきって作戦を練っているのだろうなァと思いました。
『間奏曲的ディベルティメント』の中の『噂の姫君-桐院小夜子様の憂鬱-』では、彼女自身が同級生たちに嫌がらせを受けていた時にどんなしっぺ返しをしたのか書かれていませんでしたけど、今度はサムソンに向けてあれやこれや仕掛けていたんじゃないかと思います。
そう言えば作戦に参加している俊彦叔父様には、以前悠季の事を私の愛する方と言っていましたけど、あの情報を訂正してあったのでしょうか?
前編の感想文の中で、圭の裁判の証拠として出されるのは写真かそれとも『ご奉仕券』か。
写真ではあまりに直截すぎるので、ご奉仕券の方ではないかと予想していたのですが、実際にはストレートに写真だったのですね。捻りすぎました(苦笑)
いつものように、私の推測なんて当たる筈はありませんでした!(爆)
圭から、裁判については目をつぶっていてくれと言う意味の事を悠季が言われていましたが、そのせいか以降は悠季が裁判についてあれこれ考えたり心配するようなことは棚に上げていたようですね。
日本に戻った後のアメリカで何があったのか、あまりにあっさりとスルーしたし、悠季もそれにこだわらなかったし。
(せっかく感激の帰国シーンでは、もう少し甘々のエッチシーンを期待していたんですが・・・・・ちょっとやっつけ仕事の感が)
本編は悠季の見たまま感じたままで動いていきますから、悠季がいないアメリカで行われていたあれこれは分からないし、それを書くとフジミ本編とは一味違ってしまうと思いますから、はぶいてしまったのは仕方ないと思います。
本編ですっぽ抜けて、皆さん不満がたまったんじゃないかと思うエピソードについては、当然読者一同が知りたいと思っているのを秋月先生もご存じだと思いますので(と言いきってしまう)外伝で語られると思います。←熱烈願望
圭がどんな方法を使ってサミュエル・セレンバーグを追い落としたのかとか。←陰謀術数は桐院家に任せておけばいいですよねっ?(笑)
燦子お母様とマム・マリアという最強マザーズが妖婆ミランダ・セレンバーグとどのような対決をしたのか、ぜひ読んでみたいです。
バイオリニストとして動き出したところで新たな目標を見つけて、更に前進を開始した悠季。
今度は自分を好きになるということ。
「僕なんて」という自己否定で始まっていたこの物語ですが、最後にはそこも反省点にして更に高みを目指していくんですね。
きっとこの先も、フジミの町ではまた様々な事件が起こり、新たな出会いやたくさんの活躍の場面が出てくるのでしょう。
まるでこの先も新刊が出て続きが読めそうな錯覚がしているのですが、でも出て来ないんですよね・・・・・。やっぱり。
読者の知らないフジミの世界ではこの先もずーっと続くんだなぁと思わせる終幕でした。
フジミ・ミュージックホールの完成という大団円で終わるのだろうとある程度推測がついていましたが、やはりこういう華やかな終わり方がいいですね。
ホールの愛称が『オルゴール」
角川の抽選プレゼントがなんでオルゴールなのか首をひねっていたのですが、ようやく疑問が解消しました!
フジミに出会って、毎回まるで生きている人物たちに会っているかのように、彼等の喜びや苦しみに感動したり共感したり、実に様々なものを得てきました。
有終の美を飾る外伝集でついにフジミには会えなくなってしまいますが、ずーっと私の宝物になっていてくれると思っています。
12月に外伝集が出る時に、今度こそ最後の感想(涙)をぜひ書きたいと思っていますが、ひとまず感謝を。
長い間愉しませていただきまして、ありがとうございました。とっても楽しかったです!
感想文&妄想文
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