「悠季」
心地よい低音の響きが、熱い吐息と共に僕の耳へと吹き込まれる。
「悠季」
響きは脳髄に沁み渡って、僕のからだに熱を吹き込む。
「ねえ、起きているのでしょう?」
ささやきとともに、彼の舌が僕の耳をまるで味わっているかのように舐めねぶっている。
「このまましてもいいですか?」
僕が何と答えたのか。半ば夢の中にいる僕は記憶があいまいだ。
含み笑いと遠慮のない手が、どんなことを言ったのか教えてくれたけど。
「ああ、いい匂いですね」
鼻をすりつけるようにして、僕の首筋をなぞり下りていく。鎖骨のくぼみさえ執拗に舐められて、
背筋に熱いものが走って身震いが出る。
「・・・・・眠いんだけど」
ようやく出た僕の声は、かすれてしまってほとんど出ない。
「もう、無理だって・・・・・」
声だけじゃない。ほとんど動けないからだは、昨夜の圭のしわざのせい。いや、僕も共犯者だけど。
「いいですよ。そのまま夢の中にいらっしゃい」
極上の声が、笑いを含んでささやきかける。
さらさらの大きな手や、探究心に溢れた彼の手や舌が、僕の気持良いところを暴いていく。
そうして、僕は夢うつつのうちに、圭にからだの隅から隅まで味わわれて・・・・・。
「こんな姿は、君が目覚めていたら見せては貰えませんからね。
ああ、もったいない。
君が許可してくれるなら、ぜひとも写真に収めておきたいような艶姿だ。
極上の一枚に仕上げて見せる自信がありますよ」
・・・・・え?
さすがに眠っているわけにはいかなくなった。いったい僕はどんな格好をさせられているんだ?
無理やり目を開けてあたりを見回すと、そこはレースのカーテンがあるとはいっても、
燦々とした日差しが明るく照らし出しているベッドの上。
僕は何も隠すものがない場所で、片手は自分の乳首をつまんで高ぶらせて、もう片方の手は・・・・・。
ご想像にお任せ・・・・・しないでいい!
全ては僕の気の緩みのせい。ああ、なんて恥ずかしい奴・・・・・。
夢うつつ